地区福祉啓発活動支援事業 2019.  レポートN°1. -ラ・コルメナ-

 地区において、高齢者福祉への理解を促し人材を育てるなど、高齢者福祉を推進する活動に対して、一地区Gs.1,000,000を上限に2019年度は7地区に助成を行いました。数回に分けて、各地区の活動を報告します。

ラ・コルメナ ふじデイサービス~

日本語学校児童生徒に対する福祉教育
「デイサービスボランティア体験」

 2019年7月9日、11月17日の二日間で、日本語学校児童生徒に対する福祉教育「デイサービスボランティア体験」を行った。
 これまで、日本語学校とふじデイサービスは、七夕祭を合同で行うことはやっていたが、生徒がデイサービスにボランティアとして参加するのは今回が初めてであった。
 当初の計画では①事前学習、②レクレーション準備、③デイサービスボランティア体験、④ボランティア体験後の意見交換、フィードバックと3~4日としていたが、学校の予定とデイサービスの実施時期の関係で時間が取れず、11月17日に①と②を、11月17日に③と④を行った。

目 標
 今回の事業の実施するにあたって、1)文協の福祉事業のデイサービスに触れてもらい、児童生徒に関心を持ってもらう。2)「福祉」について学び、考えるきっかけを作る。3)今後若い世代のボランティアの育成・獲得に繋げていく。この三点を目標とした。

高齢者福祉活動についての事前学習
 
7月9日の参加者はラ・コルメナ日本語学校6年生4名と、中学2年生4名、計8名。事前学習では、福祉の意味やラ・コルメナ文協福祉部の事業の内容、デイサービスとは何か、デイサービスを行う意味、レクレーションに関する知識などを勉強した。

レクレーション準備
 その後2つのグループに分かれ、実際に自分たちでどんなレクレーションを提供するかを考えた。人数や場所、参加者の年代、身体状況などを考慮しながら話し合いをし、結果をそれぞれ発表した。
 提供することになったのは、「カード合わせ」と「新聞紙ボール投げ」。
 「カード合わせ」は生徒が数字や記号、文字など2つずつ作成する。作成したカードを裏向きにして並べ、いわゆるカードゲームの「神経衰弱」の要領で、カードを取っていくゲーム。
短期記憶に注目して選んだゲームということだった。
 「新聞紙ボール投げ」はチームで行う。大小さまざまな入れ物に点数をつけ、そこに自分で作った新聞紙のボール(各自持ち球3個)を投げ入れて、チームで点数を競うゲーム。まずは新聞紙を自分で丸める作業をするが、手を使うという事は脳の活性化につながると考えたとのこと。また、上肢を自分が動かせる範囲で無理なく動かすことができるゲームだと考えたようだった。
 両グループともリーダーを決め、細かいルールも話し合って設定していったが、内容によっては講師が指導する場面もあった。
 勉強会が終わった後、たまたま中学2年生は続けて授業があったのだが、授業の1コマをカードづくりに充てた。書いた文字が紙の裏側から見えないように、また、高齢者でもはっきり文字やマークが分かるように、それぞれカードの色や筆記用具の種類まで考えながら、工夫しながら作業を行っていった。
 また、カード作成の後、実際に自分たちがやってみて、どれぐらいの時間を要する遊びなのかも計算しており、実際に使うカードの数量なども考えていった。

いよいよ、デイサービスボランティア体験
 11月17日デイサービス当日、参加者は6年生3名、中学2年生4名、計7名。それに地元ボランティア3名、利用者10名であった。
 その日は、利用者を迎えるところから始まった。それからお茶を出し、バイタルチェックの様子を見学した。初めの挨拶をした後、自己紹介をし、今日なぜ自分たちがここにいるのかを説明。その後デイサービスのメニューに沿って、歌を歌い、体操のお手伝いをした。
 はじめのうちは後ろの方でじっとしていた生徒たちだが、そのうちにお茶がなくなったコップを見つけると、「お茶を入れましょうか?」と自分から利用者に言葉をかけられるようになった。

 レクレーションでは、初めに「新聞紙ボール投げ」を行った。まずは利用者をグループに分け、グループ名を決めてもらった。それを模造紙に書き、チームの点が分かりやすいように工夫していた。机の上にボールを投げ入れる入れ物を置き、持ちボール3個を投げ入れ、どちらのチームの点数が多いかを競った。利用者ののりもよく、歓声が上がっていた。
 次に「カード合わせ」。計画の時点では個人戦を考えていたが、勝負がつきそうにないということで、こちらもチーム戦とした。それに伴い、ルール変更も行ったところもあった。こちらも同じように盛り上がって終了した。
 その後、おやつ前の嚥下体操を一緒に行い、おやつを一緒に食べて終了。帰りのお見送りまで行った。

ボランティア体験後の意見交換とフィードバック
 デイサービス終了後、別室で意見交換を行った。生徒たちからは
・最初は緊張して話しかけられなかった。
・ゲームが盛り上がるか心配だったが、みんな楽しんでくれたようで、よかった。
・初めはおじいちゃん、おばあちゃんに何を話していいかわからなかった。
・お茶を出すタイミングが難しかった。
・楽しかった。またやってみたい。
・歩く時の介助が難しい。
・利用者さんからきついことばが出た時にドキッとした。どうやって声をかけてよいかわからなかった。
という意見が出た。
 「利用者さんからきついことばが出た時ドキッとした」という言葉があったが、それは、ゲームで盛り上がっている時に、ある利用者が、相手チームの利用者に対して、ちょっときついことばを発してしまった時の事だった。相手チームの利用者で、一度カードを引いたことを忘れて、連続してカードを引こうとしたり、同じチームの利用者にヒントを与えたりしたときに(これはルールでは良いとしていた行為)、腹を立てて「ずるい!」 「Trampaは駄目だよ!!」などの、言葉がきつい様子で何回か発せられたのだった。その時生徒たちはどう思ったか、次に同じようなことが起こったらどうしたらいいと思うかを話し合った。いい話し合いができたと思う。

 今回、「デイサービス ボランティア体験」を通して、生徒たちは、デイサービスでのボランティア活動を以前より身近に感じることができたのではないかと思う。これまで特別だった活動が、それほど特別ではなく、自分たちにもできる範囲でやれることことに気づいてほしかった。
 生徒たちから「また、やってみたい。」という言葉が出てきたが、同じく利用者からも「楽しかったので、毎年やってほしい」という言葉が聞けた。今回の試みをきっかけに、毎年デイサービスの中に組み込んでいけたらいいと考えている。それが新しいボランティアの育成及び、獲得につながっていくのではないかと期待している。

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