パラグアイ日系高齢者健康調査 2023 報告書

パラグアイ日系社会は、2026年に移住90周年を迎えます。この節目を迎える中で、2008年より日系社会でスタートした高齢者福祉事業では、移住の歴史に貢献された日系高齢者が、「安心して心身ともに健康な生活を送ることができ、地域日系社会において役割や生きがいを持てる」ことを目指し、各種事業を実施してまいりました。各地区で福祉ボランティアが組織化され、デイサービスや老人クラブ支援、児童・生徒への福祉教育といった福祉活動が定着してきたことは、大きな成果であると言えます。
 現在、第5次福祉アクションプラン(2022-2026)では、
1.心身の健康を保つためのフレイル(虚弱)予防および介護(要介護状態)予防
2.日系高齢者同士の交流や、児童・若者等との世代間交流を通じて、役割と生きがいを持つことができること
3.高齢者自身を含め、幅広い世代の福祉活動参加者・ボランティアの担い手を増やすこと
を目標に掲げ、事業に取り組んでおります。
 地区での活動をさらに充実させ、新たな課題に向けて発展させていくためには、地区の対象者を把握し、数値化されたデータを基に現状を分析することが不可欠です。そこで、高齢者福祉に関する日系社会の基礎的データを収集し、実態を把握することを目的として、2023年に高齢者健康調査を実施しました。
 本調査の実施にあたっては、各地区の福祉担当理事の皆様や地元ボランティアの皆様と、地区活動に役立つ質問内容について話し合いを重ねてまいりました。また、パラグアイ日系医師会の皆様からも、調査票作成にあたりご指導をいただきました。さらに、調査票の配布・回収に際しては、各日本人会・文化協会、老人クラブ連合会の皆様に多大なご協力をいただきました。
 調査報告書の作成においては、これまでパラグアイ日系社会で実施されてきた福祉関連調査や、当委員会が実施した『日系社会福祉・医療に係る意識調査(2012年)』、『日系社会福祉実態調査(2013年)』、さらに連合会で実施された『パラグアイ日系人人口センサス2017』のデータを時系列で比較しながら、今回の調査結果を分析しました。また、調査データの集計・分析作業においては、高田浩司JICAボランティアのご支援をいただいております。
 本調査報告書は、各地区での福祉活動ならびに日系社会福祉事業の推進に有効活用できるよう、まとめております。今後、少子高齢化の波がパラグアイにも到来することは明らかです。高齢者に介護が必要となった場合でも、その家族を支え、高齢者自身が生きがいを持って暮らせる地域日系社会づくりを目指していきたいと考えております。
 最後に、本調査報告書が、JICAボランティアをはじめとする日系社会の皆様のご支援、ご協力により完成したことに、心より感謝申し上げます。

調査報告書PDFファイル ダウンロード

こちらもおすすめです