~地域のために自分たちにできること~
「東会」の活動
エステ日本人会の福祉ボランティアグループ「東会」では、老人クラブ「東寿会」の活動支援として、誕生会(年2回)と敬老会の開催を中心に、日本語学校生徒への伝統文化の継承活動、地域住民を対象にしたインフルエンザ予防接種など行っている。資金調達活動では、日本食祭りを年3回ほど実施し、住民に親しまれる活動となっている。また台湾人などとの国際食祭りを開催するなど、地域住民との融和と国際交流にも反映している。新しい取り組みとしては、料理教室の開催や、近隣であるラパス大学の理学療法士コースと連携し、実習生から希望者がリハビリのセッションを受ける活動を行った。
コロナ禍で取り組んだこと
2020年からのコロナ禍による外出制限以降、こうした活動が全て休止となってしまった。
ワクチン接種が開始されてからは、携帯電話やインターネットを利用しない高齢者に対して、電話で連絡し、ネット登録の手伝いや、接種日・接種会場などの情報提供を行ってきた。
敬老会の開催にあわせて健康相談の実施
ワクチン接種が進み、感染者数もやっと落ち着きを見せてきたことから、1年ぶりに日本人会敬老会を開催することが話し合われた。「東会」メンバーの一人である医師の協力で、健康相談もあわせて行うこととなった。高齢者の集まりには感染防止の十分な配慮が必要となる。案内状を送り家族へ理解を得て、会場のティングラドと呼ばれる屋根付きで壁のない広場で、密にならないように座席配置にも気を配った。
当日の参加者は、65歳以上者19名を合わせて計30名となった。対象となる方々の9割もが参加してくれた。敬老者の中には、「東会」現役メンバーも含まれている。
まずは、血圧測定と体重・体脂肪測定の後、医師による問診を行った。コロナ禍で外出が制限され、運動不足になりがちで体調管理も難しくなっている上に、病院受診も控えていた時期であるため、こうした医師による診察・相談は大変喜ばれた。
敬老会は、日本人会兼東会会長挨拶に始まり、敬老者へのプレゼントが贈呈された。メッセージカードと美しい和菓子セットである。その後東寿会会長が乾杯の音頭を取り、お待ちかねの食事会。これまでは、婦人部や東会が集まって食事を作っていたが、今年は感染防止を考慮して、アサード(炭火焼きの肉や魚)以外はそれぞれ料理を分担して持ち寄る方式にした。
敬老者の方々は、久しぶりの再会に喜び合い、杯を交わし、話題も尽きることなく、「もう帰りたくない」と言う人もいた。そして、「自分達のことをいつも気遣ってくれて心から感謝している」という言葉を受け、東会の活動が地域の高齢者にとってかけがえのないものになっているかを実感できた。
「東会」ができることを目指す
東会のメンバーは、他の役員など兼務で活動している人も多い。他の地区と異なり、現地パラグアイ住民との交流が盛んであるという特色がある。地域のために自分たちにできる事を、こつこつと続けて取り組んでいくよう力を合わせたい。